4月26日(火)に日本ベーリンガーインゲルハイム(株)主催により、「Face to Faceの糖尿病診療を目指して~島田市立総合医療センター糖尿病地域連携パス~」が大井神社宮美殿で開催されました。(後援:島田市医師会、榛原医師会)
セミナーは27名が参加し、講演①「島田市立総合医療センター糖尿病パス 現状とめざす将来像」、②「糖尿病チーム医療紹介~コンビニを活用した食事指導」・「糖尿病チーム医療紹介~外来での在宅療養支援」の2部構成で行われました。
講演①では、当医療センター糖尿病・内分泌内科の大石医師が座長を務め、同科の善當医師が演者となり、糖尿病パスにおける課題と患者目線に立った診療について言及しました。セミナーの中では具体的な症例が紹介され、自分だったらどんな診療をするかを会場全体で考える場面もありました。なぜ治療が続かなかったのか、どこに問題があったのかなどを細かく分析し、糖尿病治療は医師と患者の信頼関係のもと行っていくものであると説明しました。「何をしても数値が良くならない」「食べたら怒られるから不規則な食事をしている」といった意見が患者から聞かれることもあり、治療が難しいようなケースも少なくないそうです。そういった場合に糖尿病地域連携パスを利用することで、当院で一度治療を見直し、その後は通いやすい開業医で治療を続けていくといったように、地域全体で糖尿病治療をしていくことを改めて提案しました。
講演②では、引続き大石医師が座長を務め、当医療センター栄養室の山田管理栄養士と内科外来の三村認定看護師が演者を務め、講演を行いました。山田管理栄養士はコンビニを利用した食事指導について紹介しました。目標カロリーや塩分量の目安を設定し、患者が実際にコンビニで食べたいものと栄養バランスを自分で考えながら食事を購入した例を紹介しました。最初は食生活を変えることが難しいと言っていた患者も、糖尿病教室などを通して知識が身に付いたことで、入院中と同じように量を測って食べるようになったり、生活の改善に意欲的になったりした様子も見られたそうです。今後も患者の食生活を尊重しつつ、継続的に食事管理を徹底できるようにしていくとのことでした。
三村認定看護師は在宅療養支援を行ったケースを紹介しました。本人だけでは治療の継続が難しく、家族の協力も得られにくいような環境でしたが、ソーシャルワーカーを中心に訪問看護師や地域包括センターの協力を得て、治療の支援を行い改善が見られた例を紹介しました。糖尿病の治療生活を続けるうえで、家族は重要な環境要因のひとつであり、家族の身体的・心理的負担も考慮し、その都度、療養支援の見直すことの必要性を説明しました。今後も病院内の連携だけでなく、地域との連携も進めていきたいとのことでした。
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座長を務める糖尿病・内分泌内科
大石医師 -
講演1の演者を務める善當医師
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コンビニを利用した食事指導を紹介する山田管理栄養士
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在宅療養支援した症例を紹介する三村認定看護師
文責:経営企画課