発症早期から質の高いリハビリを
脳血管疾患担当チームでは、脳卒中(脳出血・脳梗塞・くも膜下出血)をはじめ、頭部外傷・脳腫瘍・硬膜下血腫等、脳病変患者を対象に、リハビリを行っています。
脳血管疾患患者さんのリハビリにおいては、発症早期からの離床はもちろんのこと、治療後に(治療と並行し)早期から各機能訓練リハビリを開始する事を最も重要と考えています。実際に、脳卒中ガイドラインをはじめとする様々な文献において、早期からのリハビリがその後の機能回復に影響を与えるという研究結果も報告されています。脳卒中センターが設置されたことにより、職種を超えた情報共有が強化されたため、患者さんが来院(搬送)された直後から事前にリハビリ計画を考えることができ、結果的に早期からのリハビリが可能となります。
もちろん時期だけでなく、その内容についても最適なリハビリを実施できるよう、スキルアップを目指した各種研修会への参加やゲイトイノベーション、IVESといった最新の治療機器等を導入しています。
患者さんやそのご家族と設定した目標を達成するために、チーム一体となり質の高いリハビリを実践しています。
装具
ゲイトイノベーション(Gait Innovation)
麻痺側下肢に装着する長下肢装具で、重度麻痺患者でも早期から歩行訓練が可能となります。理学療法士による歩行訓練時に使用します。
カックアップスプリント、CarpoMetacarpalバンド
麻痺側手関節・手指に装着することで、機能的肢位を保持し、手指麻痺の改善を促進します。作業療法士により、採寸、作成します。機能訓練時以外に、病室でもご使用いただけます。
機能的電気刺激機器
IVES(Integrated Volitional control Electrical Stimulator)という機能的電気刺激機器で、麻痺側上肢に装着し機能訓練や作業活動を行うことで、上肢麻痺の改善が期待できます。作業療法士による機能訓練時に使用します。
言語訓練
JIST(Japan Institute for Speech Therapy)法を用いた言語訓練を行っています
全体構造法理論に基づいた治療により、失語症をはじめ様々な言語機能の訓練を行います。言語聴覚士による機能訓練時に使用します。
スタッフが主体的に働きやすい職場環境つくり
脳卒中センターの認定を機に、更なるリハビリ医療の質の向上のために、スタッフ教育にも力を注いでいます。スタッフの「やる気・能力」を高めるため、当院では医師・看護師・薬剤師・リハビリ技師等、脳卒中医療に携わるスタッフ全員を『Stroke Team』と呼び、コアメンバーが中心となって勉強会やカンファレンスを開催するほか、スキルアップを積極的にサポートして、やる気・能力を高める「機会」を作っています。
また、職員へのアンケートの実施や意見箱を設置し、スタッフ一人一人の目標や意見を確認し、共有・フィードバックすることで、『主体的に働きやすい職場環境つくり』の実現を目指しています。
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アンケート
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勉強会
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勉強会
地域連携
当院は脳卒中地域連携パスを使用し、地域のリハビリ機関と連携しています。
充実した急性期リハビリを提供し、地域の医療機関への橋渡しの役目を果たせるよう、スタッフ一同、引き続き研鑽を積んで参ります。
文責:脳卒中センター
四條 敦史
・脳卒中センター脳卒中ユニット兼任作業療法士
・リハビリテーション科学修士
・認定作業療法士
・ボバース上級講習会修了
・聖隷クリストファー大学非常勤講師
患者さんとそのご家族、スタッフそれぞれの『主観』を大切に
『主体的なチームつくり』に邁進していきます!