自己血糖測定装置(SMBG)の測定手技について・・・よくある質問
当院で主に使用している自己血糖測定装置はワンタッチベリオビュー(ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社)といいます。
下記のQ&Aはこの機器を使用している方に限られます。
Q:失敗しない為のポイントはありますか?
A:操作手順書を御覧頂き検査の流れを十分に把握してください。
手順書に記載されていない主なポイントとしては以下の(1)~(4)となります。
(1)穿刺する指は、机などの上にしっかりと固定(図1)してください。
(2)穿刺するペンは指に押し当てて、穿刺してから2~3秒後に離すようにしてください。
(3)穿刺後は指の付け根から穿刺部位にそってゆっくりともむように上げて(図2)ください。この時、あまり強く絞り過ぎないように注意してください。
(4)冬場など寒いときは手が冷えて血液が出にくくなります。穿刺前に指を暖めたり、手をもむなどして血行をよくしたりと工夫してみてください。
Q:病院で測ったときの値と違うのですが・・・
A:測定時刻、採血部位、測定原理により測定値は変動します。
1. 測定時刻が違う:血糖値は刻々と変化しています。病院で測定してから、自宅で測るまでには時間が経過し、身体状況も変化しているためです。
2. 採血した部位が違う:自己血糖測定では、多くの場合指先の血液(毛細管血)で測りますが、医療機関では、腕から採血した血液(静脈血)を使って測定します。毛細管血はブドウ糖が組織に配られているときの血液であるのに対し、静脈血はブドウ糖が消費された後の血液です。そのため病院で腕から採血した値と指先の値は異なります。また、食後は指先からの測定値が高くなります。
3. 測定原理が違う:自己血糖測定器は精密に作られていますが、病院の検査室で使用されている検査機器に比べると、若干の差が出る場合があります。
Q:思ったよりも測定値が高く出た。もしくは低く出た・・・
A:測定の仕方や製品の扱い方に原因がある可能性があります。
(1)穿刺部位はどこでしたか?
→採血する部位によって、わずかに血糖値は異なります。
(2)試薬センサーの使用期限は過ぎていませんか?
→使用期限が過ぎた試薬センサーで測定すると、正しい値が出ない場合があります。
使用期限をご確認ください(図3)。
(3)試薬センサー容器のふたはしまっていましたか?
→試薬センサーは湿気に弱いです。容器のふたを開けたままにしておくと、変質により正しい測定結果が出ない場合があります。
(4)血液量は十分でしたか?
→血液量が不足していると、値は正しく出ません。
血液量の目安は(図4)をご覧ください。
(5)指先から血液を強く搾り出していませんでしたか?
→必要以上に血液を強く搾り出すと、組織液が混ざってしまい、正しい値が出にくくなります。
(6)手は濡れていませんでしたか?清潔な状態でしたか?
→消毒の際、アルコールが乾いていなかったり、手を洗った後に水分をきちんと拭いていなかったりすると、血液と混ざって正しく測定できません。また、果物の汁などが指に付いた状態で測定すると高く出る場合もあります。
Q:電源が入りません
A:①試薬センサーは正しい向きで本体にしっかりと挿入されていますか?
→試薬センサーの向きが逆であったり、挿入が弱いことがあります。試薬センサーの向き(本体の試薬センサー挿入部には3本縦ラインが表示されているので、試薬センサーの3本縦ラインを合わせて)を確認し、根本までしっかりと押し込んでください(図5)。
②電池がなくなっていませんか?
→本体背部にあるカバーを開けて(図6)、電池を新しいものに交換し起動するか確かめてください。
上記の事項に問題がなければ、修理を必要とする可能性があります。
コールセンター等に連絡して確認してください。
Q:故障の場合はどうしたらよいのでしょう?
A:ワンタッチウルトラビュー製品を使用している方は下記のコールセンターに連絡してください。
ワンタッチコールセンター:0120-113-903
(24時間365日対応、携帯電話、PHSからでもかけられます)
文責:臨床検査室