視能訓練士(Certified Orthoptist (略称CO))とは、小児の弱視や斜視の視能矯正や視機能の検査を行う国家資格を持った眼科領域の専門職です。
業務内容は①「眼科診療に関わる視機能検査(視力・眼圧・視野などの検査、眼底・三次元断層写真撮影)」、②「視能矯正(両眼視機能検査、眼筋機能検査、斜視・弱視訓練や指導)」、③「健診・検診」、④「ロービジョンケア」を行っています。私たちは、主にこの4つの業務分野において、乳幼児からお年寄りまで世代を超えて皆様の大切な目の健康を守るお手伝いをしています。
スタッフ紹介
スタッフ
視能訓練士 | 4名 |
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主な資格・学会
日本視能訓練士協会会員 | 2名 |
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業務内容
私たち視能訓練士は混雑する外来で、正確になおかつ短時間で検査が行えるよう努力し、臨機応変に対応しています。
眼科診療をサポートし、皆様の大切な目の健康を守るお手伝いをしています。
①視機能検査分野
遠視、近視、乱視といったような屈折異常に関する検査、白内障、緑内障などの眼疾患に関する検査、眼鏡の処方に関する検査等を行います。
具体的には、以下のような検査を担っています。
視力検査、屈折検査、眼圧検査、視野検査、眼底撮影、角膜内皮細胞撮影、電気生理検査、眼軸長測定、眼球運動検査、色覚検査 など
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【屈折・視力検査】
眼の病気を見つけるために必要です。遠視・近視・乱視といった屈折の種類や程度を測定します。 -
【眼圧検査】
眼圧を測定します。 -
【動的量的視野検査】
(ゴールドマン視野計)
周辺部を含めた視野全体の状態を把握できるため、緑内障、網膜症等をはじめ、脳疾患の診断にも用います。
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【静的量的視野検査】
(ハンフリー自動視野計)
中心視野(10°~30°)の評価に優れた検査で、測定点に明るさの違う光を提示して、光感度(㏈)を測定します。 -
【三次元画像解析検査】
(OCT)
網膜の断層像を撮影し、解析します。また、前眼部撮影や光干渉断層血管撮影も可能です。 -
【超広角走査レーザー検眼鏡】
(OPTOS)
散瞳(瞳孔を点眼薬で大きくする)せずに、網膜の周辺部までを1枚の写真で撮影することが可能です。
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【蛍光眼底造影検査】
(HRA)
造影剤を使用して、血液の流れの状態や通常の眼底検査では発見できない病変の状態を詳しく調べることができます。 -
【超音波画像診断装置】
(TOMEY UD-8000)
超音波を用いて、眼球断層像や隅角などの断層像と動画を撮影することができます。 -
【光学式眼軸長測定】
(ARGOS)
最新の機器により、角膜頂点から網膜を4つのセグメントに屈折率を分け、高い精度での眼軸長を含む生体計測とプランニングが可能となり、より精密な白内障手術をサポートします。
②視能矯正分野
斜視や弱視の検査、訓練を行い、早期発見に努め、子どもの未来の視力、両眼視機能をサポートしています。
両眼視機能検査、眼筋機能検査、斜視・弱視訓練 など
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【字ひとつ視力表】
3歳~就学前は、字ひとつ視力表で行います。 -
【絵視力表】
2歳~3歳くらいに用い、おおよその視力が分かります。 -
【森実式ドットカード】
2歳くらいで、絵視力表も困難な場合に用います。大まかな近くの視力を知ることができます。
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【就学前の小児視力検査の様子】
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【斜視の検査】
プリズムを使って、斜視の角度(眼位)を測定したり、医師と視能訓練士が患者さんの視機能や年齢に合わせて治療プログラムを作成し、斜視の訓練を行ったりします。 -
【両眼視機能検査】
両眼で見る力の度合いを調べます。
③健診(検診)業務
当院健診センターで実施している成人の人間ドック、その他検診にて視力や眼底写真撮影など眼疾患の早期発見にも貢献しています。
■視力検査
■カラー眼底写真撮影
④ロービジョンケア
ロービジョンケアとは…
様々な眼疾患や外傷などによって視機能が低下し、視覚に障害があるため、生活に何らかの支障を来している人に対する医療的、教育的、職業的、社会的、福祉的、心理的等すべての支援の総称です。
当院では、視覚の質(QOV)の改善を支援するために、一人一人に合わせた遮光眼鏡・拡大鏡など光学的視覚補助具の選定、処方などを行っております。また、必要に応じて各関連施設へのご紹介も行っております。
※白杖を用いた歩行訓練などは行っておりません。
文責:視能訓練士室