食物経口負荷試験とは、アレルギーがある、もしくは疑われる食べ物を病院で段階的に食べることで症状が出現するか確認する検査です。
食物アレルギーが疑われた時、血液検査や皮膚検査は参考にはなりますが、それだけで実際に食べることができるのか、強い症状が出るのかはわかりません。また、以前に食べて症状が出たことがある場合でも、少量なら食べられることもあります。そのため、実際に病院で食べてみる「食物経口負荷試験」が、食物アレルギーの診断・管理のためにとても大切な検査となっています。もし、負荷試験中に症状が出現しても、「どのくらいの量」で「どの程度の症状」が出るのかを確認することで、今後の生活でどう注意していくべきかを判断することができます。
当院では安全性を確保するために、下記の流れで日帰り入院での食物経口負荷試験を行っています(主に月曜日と水曜日)。なお、アナフィラキシーなどの強いアレルギー反応が出現した場合には1泊経過観察入院とすることもあります。
当日の流れ
*あらかじめアレルギー外来を受診していただき、検査の日程を組みます。
9時30分頃 | 来院、小児科外来で検査が可能か体調を確認します。 |
10時頃 | 小児科病棟で食物経口負荷試験を行います。 30分~1時間の間隔で1-3回に分けて摂取します。 検査中は、医師と看護師が注意深く症状の観察をします。 |
13時頃 | 症状がなければ昼食 (病院食の当日対応が困難なため、持ち込み食か売店での購入をお願いしています) |
14時頃 | 最終摂取から2時間症状の誘発がなければ退院。 |
当日の持ち物
・負荷試験食(外来で説明します)と飲み物
摂取時に味付けが必要な場合、普段使用している調味料やジャム、ゼリーなどを適宜お持ち下さい。
・嘔吐したときのための着替え、1泊入院が可能な準備
・必要に応じて、お気に入りの食器や玩具、DVD、宿題など
負荷試験の注意点
・体調不良時には症状が出現しやすくなるため延期となります。
・当日の朝食は控えめにして来てください。
・結果に影響する可能性のあるお薬は、事前に中止して下さい(下記参照)
抗ヒスタミン薬(3日前)例:アレグラ、アレジオン、ザイザル、ジルテック
抗ロイコトリエン拮抗薬(前日)例:オノン、シングレア、キプレス
ご不明な点などありましたら、当院小児科外来にご相談下さい。
文責:小児科