NSTとは栄養サポートチーム(Nutritional Support Team)のことであり、院内で患者さんに最適な栄養管理を行うために各専門スタッフがチームとなって集学的治療を行います。
NSTは医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、管理栄養士、リハビリ技師、歯科衛生士、事務職員の専門職種からなるチームです。栄養状態の改善を図り、患者さんの本来の治療効果を高めることを目的とし、より早期の退院を可能とします。
NSTの役割
- 栄養評価をおこなう
- 適切な栄養評価がなされているかチェックする
- 最もふさわしい栄養管理を指導・提言する
- 栄養管理に伴う合併症の予防、早期発見、治療をする
- 栄養管理上の疑問に答える
- 資材・素材の無駄を省く
- 早期退院や社会復帰を助ける
- 新しい知識の取得、志気の向上に努める
NSTの構成
島田市立総合医療センターでは、院長直属の組織として下記の構成をとっています。
当院では2004(平成16)年6月よりNST活動を立ち上げ、PPM方式で行っています。
また、当院では日本病態栄養学会及び日本静脈経腸栄養学会のNST施設認定を受けています。
活動内容
院内コンサルテーション状況
- 食欲不振の患者さんへの提案や連携、経管栄養の選択について
- 栄養量の増量を図ると誤嚥性肺炎になる患者さんに対して注入速度、注入量についての提案
- 嚥下障害がみられる患者さんに対しての食形の見直し、薬剤内服法の変更など
- 経腸栄養を行っている患者さんが下痢などが見られた場合の対応
NST回診
全病棟対象に主治医からNST介入依頼があった患者さんについて、NST介入を実施しています。NST回診は週一回、医師を中心に、看護師、薬剤師、臨床検査技師、管理栄養士、歯科衛生士、理学療法士、事務職員のスタッフが参加しています。
対象は
- 長期的な栄養管理が必要と考えられる癌患者さん、高齢者、術後の患者さん
- アルブミン値が低値で栄養不良の患者さん
- 重症褥瘡患者さん
NSTミーティング
スタッフ全員でミーティングを実施し、現状況の栄養評価、血液検査からの栄養状態把握、身体計測、栄養療法の選択等行っています。
栄養評価方法
・ 触診、視診による浮腫、脱水、褥瘡の有無、血色(顔色)、手足全身の状況
・消化器症状の有無(食欲不振、嘔吐、下痢、便秘)
・身体計測(体重、上腕三頭筋部皮厚、上腕周囲、血圧、脈拍)
・生化学血液検査(ALB、プレアルブミン)、免疫能(総リンパ球数)、
窒素平衡等の臨床検査データ
・食事摂取状況
NST勉強会
全職員対象にNSTへの理解と知識の向上を目指すため、月一回勉強会を行っています。また、近隣病院や施設との連携を図るため院外へ向けて広域NST勉強会を開催しています。
NST委員会
定期的にNST委員会を行い今後の方針について検討しています。
文責:栄養サポートチーム