前立腺生検を受けられる方へ
前立腺癌について
前立腺は膀胱の出口に位置し、尿道がその中心を通っています。前立腺癌は前立腺の外側にできることが多く、早期の段階では尿が出にくいなどの症状を伴わず進行することが多いです。近年血液検査でPSA(前立腺特異抗原)という腫瘍マーカー検査が普及し早期に診断が可能となりました。この値が高い時は前立腺癌が疑われ、診断を確定するためには前立腺生検が必要です。
検査の実際
検査当日に入院し、午後に外来の検査室で、仙骨麻酔(骨盤のすき間から細い針で麻酔薬を注射することで、肛門周囲の痛みをとる麻酔)をかけ、肛門より超音波の器械を入れ前立腺内部の状態を観察したり、大きさを測ったりします。引き続き細い針で6-8ヶ所の組織採取を行います。検査は約30分で終了します。検査直後は病室で安静にしていただき、点滴が終了する頃には歩行可能で、発熱がなければ翌日の午前中に退院できます。
検査の合併症
1.血尿・直腸出血
血尿や、直腸出血が起こることがあります。ほとんどの場合程度が軽く、止血剤の内服で消失します。
2.発熱
前立腺が炎症をおこし、発熱することがあります。あらかじめ検査前に予防的に抗生剤の点滴または内服を行います。
3.血精液症
前立腺は精液の一部を作っているため、針を刺すと精液に血が混ざり赤色または茶褐色になることがあります。2ヶ月くらい続く場合がありますが、体に害はありません。
検査後の生活について
- 生検を行うことで前立腺は炎症をおこしやすい状態になりますので、次回受診日まで以下の点に注意してください。なお病理組織結果は次回外来受診時に担当医が説明します。
- 過度のアルコール摂取は炎症がひどくなるおそれがありますので控えてください。
- 長時間の自転車やバイクの運転も機械的刺激によって炎症がひどくなるおそれがありますので控えてください。
文責:泌尿器科