2021年10月23日(土)に川根文化センター「チャリム21」を会場に医療学習会が開催され、当医療センター脳神経外科の浦野医師と健康づくり課の職員が講演を行いました。はじめに主催者の「地域医療を支援する会」の平口副代表から開会の挨拶がありました。当会はアルコール手指消毒、マスクの着用などの感染対策をして実施されました。
第1部では、当医療センターの浦野医師から「脳卒中について」と題して講演を行いました。脳卒中とは脳梗塞、脳出血、くも膜下出血を総称したもので、脳の血管障害によって突然起こる病気を指します。脳梗塞は、脳の血管の流れが悪くなり、脳の細胞に障害が起きることによって、機能が働かなくなることで症状が出ます。症状は障害が起きた場所によって異なり、麻痺が出る、ろれつが回らなくなる、失語、視野が見えなくなるなどが挙げられます。
脳梗塞は発症して時間が経過してしまうと、脳梗塞が完成され、後から治療をしても脳梗塞が起きてしまったところは治すことができないそうです。例えば脳梗塞を発症して、昨日から症状は出ていたが翌日に来院しても、その症状を改善させる治療は出来ないため、再発予防もしくはそれ以上症状が進行しないような治療を行いますが、脳梗塞を発症したら出来るだけ早く病院に行く事が重要になります。
脳卒中はある日突然発症するものであり、前触れはありませんが、あるとしたら軽い脳梗塞がさらに進行して症状が重くなるなどが挙げられます。もし、事前に調べるのであれば、脳ドックで血管の状態や過去に脳梗塞をやっていないかなどを確認することができます。
脳卒中を起こすリスクがあるのかを確かめられるのが脳ドックであり、具体的には、MRIで脳の血管の状態を確認し、頸動脈エコーで首の狭窄を調べます。もし動脈瘤や動脈硬化などが見つかったとしても、生活習慣を見直すきっかけにもなり、また、治療対象になるものがあれば脳梗塞や脳出血を発症する前に対処することができるため、健康診断や脳ドックを受けて、自分の身体の健康管理をすることで予防につながっていくとのことでした。
第2部では島田市健康づくり課の職員が「がん検診について」と題して講義を行いました。がん検診に関する紙芝居の動画、島田市でのがん検診の受け方について紹介しました。
がん検診の紙芝居動画は、検診を受ける事の大切さがわかる内容となっており、参加された方も真剣に聞き入る様子でした。島田市では希望登録を行った方にがん検診の案内を送付しており、「がん検診を受診したい」、「登録を変更したい」という方は健康づくり課に電話をすればいつでも登録できるとの事でした。市のがん検診には総合がん検診、地区まわり検診、個別検診の3種類の受け方があり、各検診の実施内容や検診の実施期間、受診票の送付時期などについて説明しました。集団検診と個別検診のそれぞれのメリットを踏まえながら、がん検診の受診について勧めました。新型コロナ感染症の影響で検診でも受診控えがあり、検診は不要不急のものではないということを伝えて再度がん検診受診の大切さを説明し、講義は終了しました。
講義後には主催者の地域医療を支援する会から、会の活動についての紹介と、最後に会からの6つの提案を呼びかけ、医療学習会は閉会しました。
文責:経営企画課