2020年10月24日(土)に川根文化センター「チャリム21」を会場に医療学習会が開催され、当院糖尿病内分泌内科の大石医師と管理者の青山医師が講演を行いました。はじめに主催者の「地域医療を支援する会」から、本日の医療学習会の内容について説明され講義に移りました。
コロナ渦での開催にあたっては、受付での検温、体調・行動歴のチェック用紙の記入を行い、聴講中はマスクの着用をお願いして開催されました。
第1部では当院の大石医師から「糖尿病について」と題して講演を行いました。
講義は糖尿病の説明として、短期的には低血糖になるなどの合併症もありますが、本当に怖いのは慢性的に起こる合併症とのこと。「しめじ」で覚える細小血管障害では神経障害(し)、眼の網膜症(め)、腎症(じ)、「えのき」で覚える大血管障害では足などの壊疽(えそ)(え)、脳梗塞(の)、虚血性心疾患(き)と深刻な合併症になるリスクが高くなるため、糖尿病と診断された方は症状が少ない初期の段階から治療を継続することが大切だと説明しました。
治療については、近年は薬の種類も多くなり薬も効果が高いものが出てきたが、食事>運動>薬の順番に取組む必要性があり、生活習慣が原因の糖尿病は食事と運動でコントロールできることが多いとのことです。予防に関しても治療と同様に、食事と運動により血糖値を下げていく習慣をつけることが大切で、ポイントとして、食事の順番は野菜などから食べ炭水化物は最後の方に食べるように心がけること、運動は食後に少しでも動くことを意識する習慣をつけると効果が高いとのことでした。さいごに食事も運動も多くのことを始めるのではなく、10%食事を変える、10分ウォーキングするなど、10を意識して少しずつでも継続して行いましょうと呼びかけました。
第2部では管理者の青山医師が「島田市民病院の現状」と題して講義を行いました。
はじめに現在建設中の新病院の紹介として、現在5月の開院を目指して工事中で、外観はほとんど出来上がり、内装や設備の工事を行っていると紹介しました。新病院の特徴としては、集中治療室(HCU)の整備、ヘリポートの整備、CTやMRAのなどの大型医療機器の更新、透析ベットの増床、療養病棟を廃止して回復期リハビリ病棟の増床について説明しました。
当院はこれまでも志太榛原地区の2次救急の役割を担っており、年間約4000台の救急車に対応しています。断らない救急を院内で浸透させており、緊急性のある患者さんには24時間体制で対応できるようにしており、新病院となっても引き続き対応していくと話しました。現在働き方改革により見直しがされているが、医師もメリハリをつけて働かなければいけないため、例えば緊急性の少ない病状の家族説明などは、複数の家族がバラバラに時間外に行うのではなく、都合をつけて平日日中のまとまって聞きに来ていただくなど、ご理解とご協力をお願いしました。最後にコロナウイルス感染症の対策として、やはりマスクの着用が効果的だとうことがわかってきており、日常生活ではマスクの着用を引続きお願いし、会食の場面では、食事をしてからマスクをして会話することを心がけることが効果的だと呼びかけました。
講義後には主催者の地域医療を支援する会から、会の活動についての紹介と、最後に会からの6つの提案を呼びかけて川根での医療学習会は閉会しました。
文責:経営企画課