2020年9月12日(土)にプラザおおるり第三多目的室を会場に地域医療を考える講演会が開催され、片岡医院院長の片岡医師の講演、片岡医師と当院青山病院事業管理者の対談が行われました。はじめに主催者の「地域医療を支援する会」神代代表から開会の挨拶があり、その後、染谷島田市長、中部健康福祉センターの酒井所長、浜松医科大学地域医療学講座の松井准教授から来賓の挨拶がありました。
当会は入り口での体温チェック、アルコール手指消毒、マスクの着用などの感染対策をして実施されました。
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染谷島田市長
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酒井所長
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松井准教授
第1部として片岡院長から「開業医の現状と在宅医療」と題して講演が行われました。
開業医の現状として、島田市は医療圏に分けると志太榛原圏域となりますが、志太榛原圏域は人口あたりの医師数が全国や静岡県と比較して少なく、さらに島田市は志太榛原圏域の中での少ないことを説明されました。医師数が少ない中でも医療が成り立っているのは、直近の総合病院である島田市民病院との連携が良好であることが一つの要因とのことです。しかし医師の絶対数が少ない中で在宅医療患者さんを訪問診療していくには仕組みの整備が必要とのこと。
片岡院長は島田市訪問診療推進協議会で初代会長を務め、訪問診療推進における課題の解決に尽力されています。解決に向かった事例として、まずは24時間訪問看護ステーションの開設があげられました。開設前は訪問診療を担当する医師が日中の診療に加え夜中にも頻繁に連絡があり、眠れない日々も多かったようですが、初期の連絡を訪問看護ステーションで対応するようになり、夜間の対応はほとんどなくなったようです。その他、訪問診療を実施する医師同士で、連携する仕組みを作り、主治医が不在時には別の医師が対応するという事が始まったとのこと。不在の日を設けられるということが大きく、島田市ではこれからも訪問診療を実施する医療機関が増えていけばとの展望を話されました。
第2部では片岡院長と青山病院事業管理者で「在宅医療の推進に向けた市民病院と開業医の連携」について対談が行われました。司会は地域医療を支援する会の磯崎知事が務めました。
対談では訪問診療医師を見つけることについて、かかりつけ医がいる患者さんの場合は、まずはかかりつけ医に相談すること、かかりつけ医がいない患者さんは、訪問診療医師が決まりにくい場合があるとのことで、島田市に訪問診療専用のクリニックもできたため、活用できていけばいいと話されました。また、在宅医療を選択する際の急変への不安に対しては、重大な症状かどうかは判断がつかないため、救急要請や訪問診療医への連絡をすればいいが、訪問看護を依頼しておけば気軽に相談できるため、活用して不安を少なくしてほしいとのこと。在宅医療を選択する方は積極的な治療を選択しない方もいるため、救急要請をするかどうかは、どういった治療を受けたいか、どう最後を迎えたいか、話をしておくことも大切話され、対談を終えました。
訪問診療を推進してる開業医と総合病院の立場から様々な話を聞けた、貴重な講演会でした。
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片岡院長
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青山病院事業管理者
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会場の様子
文責:経営企画課