2020年8月22日(土)に金谷公民館「みんくる」を会場に医療学習会が開催され、当院循環器内科の露木医師と救急センターの増田看護師が講演を行いました。はじめに主催者の「地域医療を支援する会」から、本日の医療学習会についてと今コロナウイルスの流行について話され講義に移りました。
当学習会は高齢者の方にも多く参加していただいていることから、これまでコロナウイルス感染に慎重に対応し、開催が見送られておりました。近隣地域で市中感染が起きていない状況が確認できてきたことと、マスクの着用をお願いすると共に聴講席の間隔を空けるなどの感染対策をして今年度初めて開催されました。
第1部では当院の露木医師から「心臓病について」と題して講演を行いました。
講義は心臓病の説明として、あらゆる循環器疾患の終末期とされる心不全は、日本における死因の第2位を占めるものであり、心不全は、一度発症するとほとんどが完治はしない病気とのこと。治療により症状が一時的に良くなっても徐々に 悪化するもので、予防と悪化のスピードを抑えてうまくコントロールすることが大事と説明しました。
予防や症状については、心不全の原因となる高血圧や虚血性心疾患、不整脈について説明しました。高血圧では特に喫煙が原因となることがあるため、禁煙を勧め、虚血性心疾患についてはは動脈硬化が原因となり、胸が痛むなどの症状に加え「冷や汗が続く」場合はすぐに受診するよう注意がありました。また不整脈は様々な原因があり、必ずしも治療を必要としませんが、検査等で「心房細動」という名前が出てきたら一度受診をするように呼びかけました。動脈硬化の原因のプラークについての質問があるなど、関心の高さが伺えました。
第2部では救急センターの増田看護師が「救急センターの現状」と題して講義を行いました。
当院の救急センターは志太榛原地区の中で二次救急という役割を担い、開業医や志太榛原救急医療センターが担う一時救急よりも高度な医療を担っていることを説明しました。また、実際の救急センターの1日の動きを紹介し、常に重篤な患者さんを診ることができるようにセンター内でベット移動をしてもらうなど最善の準備をしているとのこと。重篤な患者さんを診るためにコンビニ受診は避けることや病気の知識を付けていただくなどの協力を依頼しました。
また、35度を超える気温となる日が続いていることから熱中症対策についても説明しました。熱中症はすぐに重篤な症状になることは少なく、軽度の立ちくらみや筋肉の痙攣、中等度の倦怠感や頭痛などを経て重度の意識の悪さや全身けいれんなどの症状が現れることが多いとのこと。軽度の症状が出たらクーラーの部屋に移動するなどして体を冷やし、水分と塩分の補給をすることで予防してもらいたいと呼びかけました。
文責:経営企画課