主な対象
肩の腱板損傷、肩関節周囲炎、上肢の骨折、脊椎圧迫骨折、脊髄損傷、大腿骨頚部骨折の術後、大腿骨転子部骨折の術後、膝や足部の骨折、人工関節の置換術後、スポーツ等の外傷で膝の靱帯や半月板損傷、アキレス腱断裂をされた方
特徴
骨折や術後の炎症、腰痛症などにより痛みを伴う方が大半です。
そのため痛みの部位、程度、頻度等の評価を行い、徐々にリハビリを行います。
リハビリの進め方については、主治医とレントゲン等の検査結果を確認しながら痛みの原因について相談する等、多職種で連携しています。
リハビリのプログラムは元々の身体機能に合わせて検討しています。
高齢者の骨折
・上肢の骨折
関節可動域訓練や自分で行える自主トレーニングの指導を行います。
“useful hand(使える手)”の獲得を目標に、必要に応じて装具やスプリントを用いて損傷した手の治療や訓練を進めていきます。主治医の指示に応じて外来での訓練も行います。
肘の関節可動域訓練 肩の腱盤の筋力トレーニング
・脊椎圧迫骨折
痛みや骨の変形を予防するために、必要に応じてコルセット等の体幹装具を着用します。受傷からコルセット完成まではベッド上の生活になるため、筋力トレーニングを積極的に行います。コルセット完成後は早期に離床や歩行訓練を開始します。脊椎の中心には太い神経が走っているため、痛みや麻痺など神経症状の変化に注意しながらリハビリを行います。
硬性コルセット 車椅子への乗車
・大腿骨頚部骨折、転子部骨折の術後
早期から積極的な離床や歩行訓練を行い、認知機能低下や廃用症候群の予防に努めています。また痛みが少なく済むよう、介助方法を看護師と共有しながら日々の離床を促していきます。
人工骨頭挿入術を行った方は股関節の脱臼を防ぐために、脱臼しやすい姿勢の確認や動作指導を行います。
骨折部が不安定な方は数週間の免荷が必要になるため、筋力低下などの廃用症候群を予防しながら」リハビリを進めます。
関節可動域訓練 膝の筋トレ
杖歩行訓練 平行棒内での負荷歩行
【リハビリ進行の一例】
・歩行補助具について
一般的に高齢で骨折をされた方は入院前と比べて歩くことが大変になるため、杖や歩行器といった歩行補助具が必要になる場合があります。患者さんによって身体機能や家屋構造が異なるため、患者さんに合った歩行補助具の選定を行います。
歩行器 シルバーカー
固定式歩行器 杖
人工関節置換術後
術後は筋力が低下するため、早期に元の生活に戻れるよう積極的に筋力トレーニングや歩行訓練を行います。術後は人工関節が脱臼しないように注意する必要があるため、脱臼しやすい姿勢の確認や脱臼を防ぐための動作指導を行います。
膝の術後は機械を用いて膝の運動を積極的に行います。
ソックスエイド 膝の運動を行う機械
スポーツ外傷
野球の投球障害、膝の靱帯断裂、半月板損傷、アキレス腱断裂の方を中心にリハビリを行っています。下肢の外傷では状態に応じて荷重に制限がかかるため、松葉杖歩行の練習を行います。主治医の指示の下で徐々に関節可動域訓練や筋力トレーニングを開始します。また競技復帰や再発予防を目的に、実際に動作を確認し患者さんに合わせた動作指導を行います。自宅で行えるトレーニングやセルフストレッチ、テーピング等の指導も行います。
投球動作指導 スクワット指導
テーピング指導 セルフストレッチ指導
写真の掲載については患者さんの同意を得ています。
文責:リハビリテーション指導室